かちんとつながる

今、私は、10年前に働いていた職場のとても近くで働いている。歩いて15分くらいの距離。

上の子がまだ一歳で、下の子を出産するまで、派遣で働いていた会社。

同じ地下鉄の駅なんだけど、経路も出口も方向も違って、地図で見ても今ひとつ位置関係がピンとこなかった。

今日、帰り道に、夕焼けを追いかけて、いつもと違う道を通って帰ったら、ああ、この河岸向こうのファミレス行ったことがある！長い橋を渡って歩いた、と突如、記憶がよみがえってきた。

それは、5,6年前の記憶で、下の子が産まれた後に派遣で働いていた、また別の職場のときのこと。

こちらは今の職場から歩いて30分くらいの距離。旧職場同士でも30分くらい。

地図で見て、それぞれ近いのは知っていたけれど、実際に歩いてみて、かちんとつながった。

あの場所とあの場所は、あの方向とあの方向にあって、この道とこの道がつながっていたんだ、と。

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どちらの会社でも、たまたま担当させていただいた仕事が今につながっている。

あのとき、あの職場にいなかったら、今の仕事をしたい、できるかも、と思っていなかったかもしれない。

当時の仕事ぶりを思い出すと、うわあああ、ありがとうございましたっ、勉強させていただきましたっ、と感謝の言葉しか出てこない。

妊娠中だったり、子供が小さかったりで、ご迷惑をおかけすることも度々あった。

あのとき、温かい目で見ていただいたから、今の私がある。

そんなことを改めて思い出した夕暮れの帰り道だった。